2019年6月27日(木)、AppBank株式会社 村井氏と株式会社MOTTO 佐藤氏をお招きして「成功するSNSプロモーションは企画と手段とインフルエンサー」イベントを開催しました。
本イベントは「YouTuberビジネスの最新情報とその活用事例」と「インフルエンサーが語るインフルエンサーマーケティング」の二つの講演とトークセッション、懇親会の構成で行われました。インフルエンサーマーケティングの現状はどうなっているか。また、インフルエンサーマーケティングを最大限に活用するために何をすべきか。プロモーションの成功事例や実際にインフルエンサー本人がタイアップした事例を取り上げながら紹介しました。
第一部「YouTuberビジネスの最新情報とその活用事例」
株式会社MOTTO 代表取締役 佐藤 基 氏
最初の登壇者は、2011年からスマホビジネスのマーケティングに携わり、数多くのYouTuberプロモーションの実績を持つMOTTO佐藤氏です。「最新YouTuberプロモーション大攻略!!~YouTuberビジネスの最新情報とその活用事例~」と題し、YouTuberプロモーションの現状や、その秘訣を事例を交えてお話していただきました。
まず初めに、YouTuberプロモーションの現状をお話しいただきました。
YouTuberプロモーションの市場の推移予測では、「動画広告」の一つとして、今後も成長していくものと考えられています。なぜ、YouTuberプロモーションは成長が見込まれているのでしょうか。
その要因は、消費者が「広告」ではなく「クチコミ」を、より信頼するようになってきていることです。
- 身近で信頼できる人からの情報
- 魅力を理解するための情報量の多さ
以上の理由により「クチコミ」は消費者にとって信頼しやすい情報です。
実はこの「クチコミ」とYouTuberプロモーションは近い性質だと佐藤氏はお話しています。消費者にYouTuberの「やってみた」、「食べてみた」、「行ってみた」という体験を共有することができます。この「体験の共有」は、他のプロモーション手法ではなかなか出来ないものだそうです。
佐藤氏によると、YouTuberプロモーションを成功させるには4つのポイントがあります。
1.商材とYouTuberプロモーションの相性
- 実際に体験した感想が”効く”商品であるか
- 視聴者が”手に取りやすい”商品であるか
2.キャスティング
- 商材に”愛や共感”があるYouTuberを選ぶ
- 数字や実績を元にロジカルに選ぶ
YouTuberの本音は視聴者に伝わる。逆に嘘は通用しない。チャンネルの視聴者の属性(年齢や男女比など)と、商材との相性はいいのかをロジカルに考える必要がある。
3.動画のディレクション/指標
- 大原則、企画や構成は”YouTuberを尊重”する
- ”商材の魅力”を正しくオリエンする
視聴者を最も知っているのはYouTuber自身である。YouTuberそれぞれに動画を見せるための鉄板ネタがあり、それを活かすべきである
4.効果分析/PDCA
- オーガニック量をプロモーション日から前後比較する
- 概要欄の入稿URLから直接トラッキングする
- インフルエンサーを通して商品、サービスを認知したユーザーが、他WEB広告を介して集客できている可能性があるため、広告CVRの変化を前後比較する
- YouTubeの構造上、全ての効果をトラッキングすることができないため、上記の3つの方法をケースに応じて用いる
以上の4つのポイントを押さえてプロモーションを進められれば、YouTubeのマーケティングのポテンシャルは非常に高いと思います。
そして最後に、YouTuberプロモーションを成功させる最も大切なことは、「クライアントのYouTuberへの理解である」とまとめ、次の講演へつなぎました。
第二部 「インフルエンサーが語るインフルエンサーマーケティング」
AppBank株式会社 CCO 村井 智建 氏
第二部の講演者は、YouTuberの「マックスむらい」でお馴染みの、AppBank 村井氏です。元祖YouTuberとして人気を博し、数多くのプロモーション動画を成功させてきた村井氏に、インフルエンサーの目線でインフルエンサーマーケティングをお話していただきました。
まず初めにAppBankが運営しているYouTubeチャンネル「マックスむらい」チャンネルの紹介をしていただきました。
動画の視聴回数の合計は18億回にも及ぶ大人気のチャンネルです。開設当初はゲーム実況を中心とした動画を投稿していましたが、2018年春からスタートしたドッキリ企画動画が好評だそうです。企画の中で商材の訴求をすることで、視聴者を巻き込むことができる、プロモーションに最適なYouTubeチャンネルになっています。ユーザー層は20代~30代が多く、男女比は男性が9割を占めているそうです。村井氏によると、この属性に適した商材のプロモーションは効果が大きく見込めるそうです。逆に、適していない商材の場合、効果があまり見られないとも言います。こういった属性からその商材にとって適切なチャンネルかどうかを見極めることは大切であるというのがわかります。
次に、実際の事例をいくつかお話しいただきました。その中の一つに、村井氏の机の私物を全てボディバッグに収納してしまうというドッキリ動画があります。机の上の私物がなくなるというドッキリと、その大量の私物がボディバッグに全て収納できているというドッキリで二重の驚きがあります。この企画は商材であるボディバッグの収納力を訴求することができ、動画としても視聴者が楽しめる自然な流れができています。その他にもいくつかの事例が紹介され、いずれも「マックスむらい」チャンネルにて閲覧できます。
ドッキリ企画によく言われる台本やヤラセの有無ですが、マックスむらいチャンネルでは、一切の台本、ヤラセなしで動画の制作をしているそうです。一つひとつの動画を真摯に作り上げるAppBankらしい部分ですね。
「マックスむらい」チャンネルの運営の中で
・動画の尺が長くても見てもらえる工夫
・クライアントの訴求内容を伝える工夫
・視聴者とのコミュニケーション
を大事にしているそうです。
最後に、流行っているからとりあえずやってみよう…で、なんとなく有名そうなインフルエンサーにオファーしても、上手く成果を得られなかった…という話はこの業界では溢れています。
サービスの訴求が視聴者とのコミュニケーションの一つになっているようなクリエイターの方がより成果は出やすいそうです。プロモーションを成功させるには、いい動画を作っているクリエイターとクライアントが一緒になって作ることが大事だとまとめ、講演を締めくくりました。
※第三部:弊社商品紹介コーナー
こちらのセミナーレポートより省略いたします。
第四部 「マックスむらい 氏 × 佐藤 基 氏 トークセッション」
第四部は、質疑応答を兼ねて約30分間のトークセッションを行いました。質問も相次ぎ、とても興味深い内容だったと感じます。その一部を以下にご紹介します。
Q:
(佐藤氏)今後YouTuberはどうなっていくでしょうか?
A:
(村井氏)YouTubeをよく見る人はわかると思いますが、3か月から半年くらいでクリエイターのトレンドが変わります。
現在は、動画時間が全体的に伸びてきている影響で再生回数が軒並み落ち、中堅クリエイターが苦しんでいると思います。案件に関しては、特定のクリエイターに集中しており、企業が発注しづらい、依頼を受けてくれないという問題に直面していると思います。企業側がクリエイターを好きになって、一緒に面白い動画を作るというようなスタンスにならないと成功するクリエイターを捕まえることすらも難しいかもしれません。
Q:
(佐藤氏)このセミナーに来場している方の中では、1割の方がYouTuberと一緒に仕事をした経験があるとのことでしたが、これは多いと思いますか?少ないと思いますか?
A:
(村井氏)多いと思います。
まだまだ、クリエイターの不祥事など、信用が薄いというのもありますが、クリエイターと企業のパワーバランスが釣り合っておらず、クリエイターの力が強すぎるというのもあると思います。一般的に、発注する側、お金を出す側が強いという感覚があると思いますが、YouTubeにおいてはクリエイターが上です。お金を払っているんだから言うことを聞いてくれというスタンスだと失敗してしまうところが難しいところでもあると思います。現状、クリエイター側が立場的に強すぎるので、もう少しそのバランスが取れれば、今よりもっとお互い仕事がしやすくなるはずだと思っています。
Q:
(来場者)企業でチャンネルを運営する場合、気を付ける部分はありますか?
A:
(村井氏)大前提として、大体は上手くいかないと思います。
現状、本気でやっているチャンネルが少ないです。多くはありませんが、最近ゲーム系は本気でやっているところが出てきており、そこは伸びていると思います。本気で取り組んでいるかどうかが鍵になっています。また、別軸の話になりますが、本気でやった場合の難しさはあると思います。
社員発信であるならば、タレントとして扱うか、従業員として扱うか、他の従業員とのバランスをとることがとても難しいです。
企業チャンネルの場合、クリエイター目線で言うと一から自分で立ち上げたわけではなく、会社という下地の上でやっていることも考えると、チャンネルが伸びた場合に、会社とクリエイターが雇用契約も含めてどうバランスを取ればいいかというのは必ずぶつかる問題です。恐らくその問題に初めて直面したのがAppBankだと思います。
私は、従業員として扱い、YouTuberとしてやりたいなら応援するから独立もOKというスタンスでできるだけ割り切ろうと考えています。社員発信でYouTubeで動画投稿をするというのは現在の企業だとクリエイターのマネジメントやそれこそ会社の制度など、どこかでほころびが生じる可能性が高いのでなかなか難しい問題です。
他にも、タレントのYouTube参入やYouTubeのコミュニティの情報拡散などのテーマが取り上げられました。
まとめ
インターネット上のクチコミがもたらす影響が大きい現代において、YouTuberによるプロモーションは、企業が打ち出す施策として大きな効果を生み出す手段になりうると言えるでしょう。しかし同時に、ただYouTuberプロモーションを実施するだけでは満足のいく結果が得られず、成功するには大切なポイントがあるということもわかりました。
普段中々聞くことのできないインフルエンサー視点でのインフルエンサーマーケティングの実績についてのお話も聞け、大変有意義な時間となりました。
アディッシュはAppBankとコラボをし、「アプリのダウンロード数を伸ばしたい」、「商品をもっとアピールしたい」、「もっとゲームで遊んでほしい」というお客様向けにキャンペーンを実施しております。
AppBank内にユーザーがSNSで参加できる特設キャンペーンサイトを用意し、企業のアプリやサービスをマックスむらいチャンネル内のドッキリで取り上げながら、SNS上で盛り上げるプロモーション企画です。
興味がありましたら、是非お気軽にお問い合わせください。