有名な企業の中には、日本から海外に向けた専用のSNSアカウントを開設し、海外に情報発信しています。 有名かつ人気がある商材であるのに、なぜSNSを活用するのか、それらの事例を参考に海外向けSNSマーケティングを考えたいと思います。

なぜSNSで日本から海外に情報発信するのか?!

マス広告やWebサイトは、広域の中にある情報の一つで、自身が該当する欲求がない限りは「他人ごと」であるため親近感がなく、一個人の「欲求」がセットになったときに顧客の意識にリンクされます。

SNSは既に「プライベート領域」のため意識は高く、自分が興味ある情報を収集しやすくするためにフォローし、またその情報の共感を得るため拡散します。 企業アカウントをフォローするということは、その企業に興味関心があることの現れであると言われています。
企業と顧客との接点を得られる領域としてもSNSは成長を遂げています。SNSで海外に情報を発信している企業は、海外顧客への接点を求めるためにSNSを活用しているようです。

>>参考:Twitterビジネス「Twitterユーザー調査2016」より

@TwitterBizJP
#Twitterビジネス資料
Twitterビジネスによる調査資料によると、企業のTwitterアカウントをフォローしているユーザーは、その企業に好印象を抱いており、お得意様になる可能性があると記しています。 Twitterビジネスより公開されている参照資料イメージ

 

カスタマージャーニーにおけるSNSの役割

慶應義塾大学 清水聰教授によると、意思決定プロセスにSNSが現れたことで変化が起きているようです。カスタマージャーニーにおける意思決定は一方通行はなく、「循環型意思決定プロセス」となってきているようです。

出典:「SNSの普及で、消費者の意思決定プロセスが循環型になっている」慶應義塾大学 清水聰教授
これは今までの意思決定プロセスが、認知から購買、満足までの一方通行だったのに対して、消費者の行動を大きく購買前の行動、購買の場の行動、購買後の行動に3分割し、購買後の行動が、その人の次の購買前の行動、および潜在消費者の購買前の行動に影響する、情報の循環を仮定したプロセスだ。

購入前、購入後にリアルなクチコミをSNSで確認し、その後、企業アカウントにコメント投稿するユーザーの一連のアクションの中で、公式アカウントからの情報と交流は、国内外関係なくファン強化に繋がるSNSマーケティングとなります。

実際にSNSで海外に情報を発信している企業アカウントの事例を見てまりましょう。

 

事例紹介:Facebook(フェイスブック)

Tokyo Otaku Mode

@tokyootakumode

  • コミュニティ運営として成功している運用例
  • SNSを立ち上げファンを獲得したのち、ECサイトを立ち上げた異例のパターン
  • 個人ユーザーが作成し投稿した画像や動画を公式サイトが一投稿としてシェアすることにより、ファン個人についているファンと、公式サイトについているファンの双方にアプローチでき、さらにファン同士の接触点が増えコミュニティ形成している理想的なSNS運用
  • 運用のベースに営業色がなく、おもしろい写真や動画をシェアすることで、純粋に投稿を楽しみにしている世界のサブカルチャーファンからのフォローが増えている

Facebook画像イメージ:Tokyo OTAKU mode

Uniqlo Australia

@uniqlo.au

  • 長文が可能なFacebookであるがシンプルな記事で投稿、商品写真を魅せる運用スタイルとなっている
  • 購買行動に繋がるように投稿に商品URLをうまく埋め込みECサイトへ誘導
  • 思わず再生してしまうような良質な動画を掲載することで、ただの商品紹介とならないよう投稿にメリハリをつけた運用スタイルが伺える

Facebook画面イメージ:Uniqlo Australia

 

事例紹介:Instagram(インスタグラム)

shiseido(資生堂)

shiseido

  • 商品の魅力をモード系雑誌のようなアーティスティックな写真で表現している
  • テレビCMのようにクオリティの高い動画も投稿することで、新しいファンの獲得を促している
  • ハッシュタグには「#jbeatuy」などクールジャパンをイメージさせるものや、漢字で「#資生堂」としているものなど、中国圏や欧米系をそれぞれ意識した使い分けがなされている
  • 様々な商品やモデルの写真を起用しつつも、ウォール表示した際に写真の色合いやテイストの統一感が、ブランドイメージを醸成している

Instagram画面イメージ:資生堂shiseido

Nikon Australia

nikonaustralia

  • 写真集のような運用
  • 製品そのものを押し出さず、見ている人にカメラの魅力を上質な写真で伝えている
  • 製品を購入した先に、カメラマンの様にレベルの高い写真を撮る自身の姿をイメージさせられる投稿

Instagram画像イメージ:nikon_australia

bape_us

bape_us

  • 統一したハッシュタグブランド名「#bape」のみで、それ以外のハッシュタグは基本使わないことでハッシュタグの強さが光る
  • 製品のみの写真や、モデルの写真などの投稿は、商品カタログになりがちだが、アパレルブランド「bape」の世界観であるストリートとリアルクローズの雄としてのブランドイメージを踏襲している投稿

Instagram画面イメージ:bape_us

 

事例紹介:Twitter(ツイッター)

Sony Electronics

@SonyElectronics

  • 投稿文章がシンプルなのでTwitterとはいえクリエイティブに目を引く投稿スタイル
  • Twitterによる拡散だけでなく、投稿している写真はスタイリッシュな企業イメージと繋がり、ブランディングが成功している運用
  • 常にWebサイトの商品詳細ページへリンク誘導しているので、告知拡散用のオウンドメディアとしても活用している

Twitter画面イメージ:Sony Electronics

 

まとめ:海外向けSNS運用で海外マーケティングの手がかりを

上記事例からみる有名企業の海外向けSNS運用は、各SNSの特徴を理解しブランディングイメージを踏襲した投稿を長期継続していることが分かりました。 一見、売上に直結していないように見受けられますが、海外を対象にした接点をSNSを通して得ているのは運用サイドの努力が感じられます。

海外向けSNS運用のポイントが3つありました。

  1. 各SNSの特徴を理解し活用している
  2. 無理にビジネスに直結させず、まずはファンとの関係強化に活用
  3. 長期運用することでSNSでユーザーのカスタマージャーニーを後押し

海外向けにSNSを運用することで、ユーザーからのコメントや、「いいね」などの反応を得ることができ、またインサイトデータ等では海外でのニーズを察知することができるため、市場開拓の手がかりを得るチャンスに繋がるのではないでしょうか。

 

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