【 最終更新日: 2018年12月10日 / 投稿日: 2018年2月8日 】
Twitter運用担当者であれば一度は耳にしたことのある「アクティブサポート」ですが、基本的なことや、企業アカウントの事例を参考に改めてどのような施策なのかを確認したいと思います。
< 目次 >
- アクティブサポートとは?
- なぜ?Twitterでアクティブサポートをするのか?!
- 顧客のカスタマージャーニー(意思決定プロセス)にアプローチ
- アクティブサポートでファン化や問題解決に成功している企業アカウント
- 事例1:Hulu
- 事例2:マイクロソフト
- 事例3:さくらインターネット
- 事例4:井村屋
- 事例5:りそな銀行
- アクティブサポート実施の注意点
- まとめ
アクティブサポートとは?
アクティブサポートとは主に代表的なSNS(ソーシャルメディア)の一つであるTwitterを活用し、自社商品やサービスに対してのつぶやきを能動的に見つけて、企業側からアプローチする施策です。
自身のツイートに付いたリプライ(コメント)だけでなく、一般のSNSユーザーがTwitter上で自社の商品やサービスについてツイートしているものに対して、能動的にアクションを起こし企業アカウント側からコンタクトを取ることを「アクティブサポート」とされています。
ユーザーによって作成されたコンテンツのことで、 SNSだけでなく、ネット上に投稿された写真、動画や口コミサイトのレビューなども含むので、実はブログ記事や掲示板などの書き込み投稿もUGCということになります。
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なぜ?Twitterでアクティブサポートをするのか?!
Twitterは匿名でアカウントを始めることができるため、一般ユーザーは気軽に本音をツイートする傾向にあります。 そこには顧客(ファン)からのニーズや、サイレントクレーム等の「クチコミ」データが蓄積されていることになります。
自社の商品やサービスについて、何か訴えているファンを放置することで、下記のような効果を得る機会損失していると言っても過言ではありません。
アクティブサポートのメリット
1:ファンとの関係強化
好意的なツイートに、公式アカウントからお礼のリプライをすることで顧客(ファン)との関係強化となります。
2:カスタマーサポートを実現
問題を抱えたユーザーは、貴社のカスタマーサポートへ問合せすることなくTwitter上にクレームをツイートする傾向があります。公式アカウントとして真摯に対応することで顧客からの離脱を防止するなど、Twitter上でカスタマーサポートが実現できるのです。
3:顧客のニーズをキャッチアップ
顧客(ファン)からのクレームや問題点は、商品開発の改善すべき点を確認することができるため、大規模なアンケート施策をすることなく、要望をキャッチアップできます。
顧客のカスタマージャーニー(意思決定プロセス)にアプローチ
アクティブサポートで期待される効果としては自社のブランドを向上させたり、リピーターとの関係強化により、顧客のLTV(生涯価値)が高まることも期待できる効果のひとつです。
それは、顧客のカスタマージャーニー(意思決定プロセス)にSNSが強く影響をしていることも明らかになって来ているからです。
購入前、購入後にリアルなクチコミをSNSで確認し、その後、企業アカウントについてコメント投稿するユーザーの一連のアクションの中で、公式アカウントからの情報と交流は、ファン強化に繋がるSNSマーケティングとなります。
※出典:「SNSの普及で、消費者の意思決定プロセスが循環型になっている」慶應義塾大学 清水聰教授
ここからは、各社が実際にどのようなアクティブサポートをおこなっているのか具体例をご紹介します。
アクティブサポートでファン化や問題解決に成功している企業アカウント
能動的にコミュニケーションを取り、ファンとの関係強化や問題解決につなげていく点では共通しているものの、具体的なやり方や内容は企業によってさまざまです。 各社が実際にどのようなアクティブサポートをしているのか企業アカウント事例をみていきましょう。
事例1:Huluカスタマーサポート
カスタマーサポートアカウントのお手本
Twitter上でカスタマーサポート窓口を成功した企業アカウントとして有名です。 「#Huluお願い」というハッシュタグを用いて、カスタマーが配信して欲しいと望むタイトルをこのハッシュタグ付きでツイートしてもらうことで、作品のニーズ把握に繋げ、拡充に役立てています。
2018年11月5日投稿より
週に一度、下記のようなツイートで「#Huluお願い」を入れた投稿をするようにユーザーに呼びかけツイート
参考:2018年12月3日投稿より
リクエストを受け付けた作品について受け付けた旨をリプライはこちら
事例2:マイクロソフトサポート
お役立ち情報&カジュアルユーザーサポート
マイクロソフトでは製品の活用方法はもちろんですが、Windowsの Tipsや各ソフトのショートカットキーといったユーザーがPCを利用する上で、役立つ情報も発信しています。
また、WIN系のPCメーカーのアカウントの投稿をリツイートするなど、ユーザーに利益になる情報は拡散するお手伝いも欠かさないところがSNS文化を理解している運用を感じます。
2018年12月5日投稿より
外部接続ディスプレイの接続設定画面のショートカットキーについて紹介
統一しているハッシュタグはマイクロソフトサポート「#MSHelpsJP」ですが、ソフトによっても使い分けするなど、拡散とアクティブサポートに特化できるように工夫しています。
「#Windows10」などといった自社商品に関するキーワードが含まれているつぶやきに対して、ユーザーがさらに便利に利用できる付加情報と合わせて能動的にコミュニケーションを取っているようです。
参考:2018年12月5日投稿より
Windows10へのアップロードを推奨するマイクロソフトでは、アップグレードしたユーザーを応援しつつ参考情報をまとめたWebサイトへのリンクを紹介するなど、Winユーザーとの関係強化を感じさせられるアクティブサポート事例が多い。
事例3:まりな_さくらインターネット公式
柔軟型カスタマーサポート
さくらインターネットでは、運用方法としてキャラクター設定をし、カスタマーセンターの公式キャラクター『まりな』がサービスに関するお役立ち情報を投稿したり、ユーザーからの質問に対してTwitter上で対応しています。
2018年11月19日投稿より
カスタマーサポートイメージに徹している点は、週の初めと終わりの挨拶を投稿することで、その間はコミュニケーションが無いこと明確化している。
返信する際に「@ユーザー名」をきちんと入れて対応したり、困っているユーザーがいたら、公式アカウントから積極的にリプライして問題解決のお手伝いをしたり、また詳細がWebサイトにある場合はページへ誘導したりと対応は 定型化された対応だけではないところは、顧客に寄り添っている様子が伺えます。
また、状況によってはダイレクトメールに転換し連絡をとるなど、臨機応変にサポートするなども見習う点だと思います。
参考:2018年10月25日投稿より
ユーザーからのお問合せツイートに対して24時間以内に返信対応しており、画像付きで設定を説明している。
事例4:井村屋
「中の人」によるブランディング向上
「中の人」として有名アカウントの井村屋は、多くの企業アカウントとTwitter上でコミュニケーションをとり、リツイートすることで企業間で投稿を拡散をするなどTwitterの特徴を活かした運用は見習いたいアカウントの一つです。
ブランディングとファンとの関係強化に徹している運用をしているようで、一般ユーザーからのリプライへの対応も多くおこなっており、ユーザーにとって井村屋の公式アカウントとコミュケーションを取ることができるのが人気の理由と思われます。
2018年11月23日投稿より
「#お赤飯の日」にちなんだ投稿にファンからお赤飯は何派?!というようなリプライをもらいコメント返信している。
事例5:りそにゃ【公式】(りそな銀行)
ゆるキャラとゆるく対話型運用
りそな銀行では公式コミュニケーションキャラクター「りそにゃ」が公式アカウントを運営しています。そのため銀行のサービスよりもキャラクター(ゆるキャラ)のアカウントとして日々の投稿が多く、ビジネス色が強くないツイートが中心となっています。
2018年11月24日投稿より
「世界キャラクターさみっと in 羽生」
「りそにゃ」とコミュニケーションをとりたいユーザーからリプライ(コメント)が付き、そのやり取りは結果、銀行へのサービスに繋がるほどのファン化が見られます。
参考:2018年11月27日投稿より
2019年版“りそにゃ”カレンダーには、ファンから忌憚のない意見や、いつどこでこのカレンダーを手に入れられか等の質問にも対応
アクティブサポート実施の注意点
1:節度をもって声がけ(リプライ)する
リプライするときは、企業アカウントであることを忘れずに、節度ある返信内容と対応を心がけましょう。
2:公式アカウントとして運用方針を作成する
顔文字は誤解を招くこともあるので、使用には注意が必要です。テンプレートのような回答は嫌がられてしまい意味がありませんので、どのような返答をするのか十分な運用プラン・マニュアルを準備しましょう。
3:該当者アカウントの状況を確認
リプライする際は前後のツイートやユーザー属性を確認し、対応をおこなっても問題ない状況なのかを確認しましょう。
4:状況をみて連絡方法を変える
Twitterはリプライであってもオープンなので、広くユーザーに読まれる可能性があるものです。参照情報など提示するときは著作権への配慮を怠らないようにするのと、個人情報など重要なものはダイレクトメールでやりとりしましょう。
具体的な内容への対応は、できることなのかできないことなのか、きちんと事実関係が判明してからツイートしましょう。
まとめ:TwitterアクティブサポートでSNSマーケティングを更にバージョンアップ!
日常のちょっとした出来事を気楽に投稿できるTwitter上には、高い確率で自社商品やサービスに対して喜んでいるものや不満につながっている投稿が存在しています。
それらをしっかりと採取し分析・調査・サポートをすることができれば、B to Cマーケティングや、ブランディング向上につなげることが上記、企業アカウントの事例で確認できました。 受身で問い合わせを待つことで届かなかった声に、能動的に顧客との距離を縮めることができるアクティブサポートを実施してはいかかでしょうか。
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