SNS運用の担当者の方は、社内で自社アカウントの状況報告や結果を求められることがあると思います。
一般的にメディアでも取り沙汰されるのがフォロワー数のため自然な流れではありますが、全てのSNS運用の成果をフォロワー数だけを指標としてしまうことで、KPIの設定も「フォロワー数アップ」のみ固定されたままとなってしまう傾向があるようです。
各企業アカウントごとに違うはずのSNS運用のKPIは、「フォロワー数アップ」だけではありません。 そこで今回は、SNS担当者の方々に注目してほしい「エンゲージメント」についてご紹介したいと思います。

<< 目次 >>
・そもそもエンゲージメントとは?エンゲージメント率とは?
・Twitterのエンゲージメントとは
・Instagramのエンゲージメントとは
・Facebookページのエンゲージメントとは
・フォロワー数とは別に理解するべき「エンゲージメント」のポイント
・インプレッション数・リーチ数から得られる対策
・まとめ:エンゲージメントから発見する次の運用施策(KPI)
・ちなみに、「いいね!」数を非表示にする試みも

そもそもエンゲージメントとは?エンゲージメント率とは?

「エンゲージメントとは」

大まかに説明すると、ある投稿に対してのユーザーからのリアクションを言います。
SNSで言うリアクションとは、「いいね!」、「シェア」、「リツイート」など、ユーザーからのリアクション(反応)です。
各SNS(プラットフォーム)によっても、計測しているりアクションの呼び名に少々違いがあり、エンゲージメント率については算出方法なども変わります。
では、各SNSによって、どのようなリアクションをエンゲージメントとしているか確認してまいりましょう。

 

Twitterのエンゲージメントとは

Twitterのエンゲージメント項目は下記になります。

Twitter(ツイッター) ・いいね
・リツイート
・返信(リプライ)
・ツイートの詳細を閲覧(※)
・投稿からのフォロー
・画像、動画のクリック
・リンクのクリック
・プロフィールのクリック

(※)「ツイートの詳細を閲覧」:ツイートをタップし、そのツイートをポップアップ表示した場合を指します。

■インプレッション数

その投稿(ツイート)が、ユーザーの検索結果に表示されたり、タイムラインで表示されることで得られる、見られた回数(閲覧数)です。インプレッション数にはフォロワー以外の潜在ファンが含まれているため、どの投稿が、どれだけのインプレッション数を得られたのかは、担当者として意識しておきたいポイントです。

注意点は、Twitterのインプレッション数は、ユニークユーザー数ではありませんので個々の計測はされていません。

■Twitterの「エンゲージメント率」

エンゲージメント全項目総数 ÷ インプレッション総数 ×100 

 

>>参考:Twitter広告サービスとツイッターのビジネス活用
Twitterアナリティクス ツイートを分析してフォロワーのデータを詳しく知る
ツイートアクティビティ管理画面

 

Instagramのエンゲージメントとは

Instagramのエンゲージメント項目はFacebookの「シェア」やTwitterの「リツイート」などの拡散する項目はなく、シンプルなリアクション項目となります。

Instagram(インスタグラム) ・いいね
・コメント
・保存(※)

※保存:フォロワーでなくても、その投稿をブックマークのように保存が可能。また「保存」している投稿を、ユーザーの好みでフォルダー分けできる「コレクション」機能もある。

■Instagramの「エンゲージメント率」

Instagramではエンゲージメント率をインサイトデータでは算出していません。

そのため管理画面(インサイトデータ)から、インプレッション数またはリーチ数を確認し、 自身で計算する必要があります。
とあるデータによっては分母に「フォロワー数」を使用することもありますが、最近Instagramにアクセスしていないユーザーも含まれるので、筆者としてはお勧めしていません。

エンゲージメント全項目総数 ÷ 「インプレッション数」 または 「リーチ数」 ×100 
※「インプレッション数」か「リーチ数」を自身で選択し計算する。

■Instagramのインプレッション数・リーチ数をインサイトデータで確認

Instagramの管理画面についての詳細は省略しますが、「アクティビティ」画面にて「いいね数」や「コメント数」、「インプレッション数」、「リーチ数」が確認できます。

インプレッション数 その投稿がタイムラインやエキスプローラ画面(検索画面)に表示された数
リーチ数 その投稿を閲覧したユニークユーザー数(アカウント数)

 

>>参考:Instagram ヘルプセンター
Instagramインサイトについて

 

Facebookページのエンゲージメントとは

Facebookページのエンゲージメント項目は下記になります。

Facebook(ファセブック) ・投稿へのいいね!
・コメント
・シェア
・動画再生
・その他のクリック(アイコン、写真、もっと見る、など)

■Facebookのリーチ数(3種類)

上段で説明しましたが「リーチ数」とは、その投稿を閲覧したユニークユーザー数を指します。またFacebookでは、リーチ数が下記の3種類で分類され、それぞれ確認できます。

有料リーチ スポンサー記事(広告)からのリンクで投稿を閲覧したユーザー数と、Facebook広告としての投稿を自身のニュースフィード等で見たユーザー数。
クチコミリーチ そのユーザーの友達が「いいね」や「シェア」した貴社投稿を見たユーザー数
オーガニックリーチ 貴社Facebookページのファン(フォロー中)が自身のニュースフィードで見たユーザー数と、Facebook上で検索してファンではないが(フォローしていないが)、その投稿をみたユーザー数の合計

Facebookでリーチ数はユニークユーザー数とされていますが、
Facebook社によると、オーガニックリーチと、クチコミリーチの両方でみた場合は、それぞれにカウントされるとのことです。

有料リーチについては、インサイトデータでリーチしたユーザーについて確認できるので、広告運用をしているアカウント担当者はチェックすべきデータとなります。

>>参考:Facebook ヘルプセンター
オーガニックリーチ、有料リーチ、投稿のリーチの違いは何ですか。

■Facebookページの「エンゲージメント率」

エンゲージメント全項目総数 ÷ リーチ総数 ×100

 

SNSのエンゲージメントの種類と、エンゲージメント率の算出方法を確認してまいりました。ここからは、エンゲージメントからアカウントの状況をどのように見るかを紹介したいと思います。

 

フォロワー数とは別に理解するべき「エンゲージメント」のポイント

たしかにフォロワー数の増減は、アカウントの影響度や人気度などの状況を測る指標となりますが、SNS運用でのKPIを策定するために必要なのは各エンゲージメント数だと筆者は思います。

エンゲージメントにはユーザーの足跡がある!

今後の運用で、どのような投稿を増やすか、どのような広告が良かったのかを振り返ることができるのが、エンゲージメントから見えるユーザーの足跡だと思います。

例えば、

Twitter「ツイート詳細のクリック」や、「プロフィールのクリック」

Twitter「ツイート詳細のクリック」や、「プロフィールのクリック」をするユーザーは、 その投稿に興味を持ち、アカウントの他の投稿を閲覧するなどの行動を取っている足跡になります。

Instagram「保存」

Instagramの「保存」機能はフォローではなくても、その投稿に興味関心があるからブックマークするわけです。
「保存」数から見られる反応はコンテンツの受けの良さを確認できることになります。
※Facebookページにも同様の「リンク保存」機能があります。

興味を持たれてリアクション(エンゲージメント)を得た投稿と、その時期のトレンドやニュースなどを合わせて確認すると、フォロワー数にはない潜在的ファン層が見えてくるデータとなります。

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インプレッション数・リーチ数から得られる対策

SNS広告を運用していないから関係ないと思う担当者の方もいるようですが、インプレッション数やリーチ数も捨てられないポイントとなります。

Instagramでは、#ハッシュタグの調整に活用

Instagramの場合は、#ハッシュタグで検索されるとエキスプローラ画面に掲出のチャンスを得ることができるので、フォロワー以外のユーザーに投稿を見てもらうことが出来る重要なポイントとなります。
投稿に記載した#ハッシュタグによって、どのくらいリーチしたのか定期的に投稿別にリーチ数をチェックすることで、有効な#ハッシュタグが見いだすことが可能です。

Twitterでは、トレンド入りを狙うべきかをテストする

Twitterでは、トレンド入りしているキーワードでの#ハッシュタグにちなんで投稿した場合に、「おすすめトレンド」のキーワード欄に表示されることがあり掲出チャンスに繋がります。

その投稿(対応)による掲出チャンスは、広告以上のインプレッション数を得ることができるので効果があるのですが、企業アカウントによっては効果が得られない場合もあるので、今後はトレンドキーワード投稿をするかどうか投稿方針を決める指標になります。

どのような投稿内容や#ハッシュタグで、掲出され閲覧されるチャンスを作ったかを振り返ることができるのもインプレッション数やリーチ数です。


それぞれの、エンゲージメント結果から、自社商材から想定していたターゲット層とは違う潜在ユーザー層(潜在ファン)を見いだすことができ、時にSNS運用では後者の潜在ユーザー層にターゲットを変更するなど、KPIを改めて設定し直すことがあります。

 

まとめ:エンゲージメントから発見する次の運用施策(KPI)

基本的に無料でスタートできるSNSですが、その割りに社内ではSNSによる効能を期待されることが多く、SNSマーケティングを担うことになる担当者の戸惑いは、さらに深まることになります。

エンゲージメントから得られるデータは、マス広告とは別の重要なデータです。
スタートアップ企業でもチャンスを作るヒントが「ユーザーの足跡」から見い出せるため、フォロワー数アップという最終目標にだけ囚われずエンゲージメントから潜在顧客を見いだすことをお勧めします。

改めて整理すると、

最終ゴール(KGI)
・フォロワー数→アカウントの影響度や認知を測る指標

プロセス目標(KPI)
・エンゲージメント→アカウントの方向性、投稿内容のプランを振り返る指標

 

ちなみに、「いいね!」数を非表示にする試みも

先日のFacebook社からのリリースで、Instagramの「いいね!」数を他者には何件「いいね!」されているか非表示にするという試みが、一部ユーザーにテスト的に実施されることが発表されました。
Facebook社の意図するところは、ユーザーが「いいね!」数に一喜一憂し、投稿された画像や動画が注目されてなくなるという理由だそうです。
自身の投稿したものは確認できるので、エンゲージメントのデータには影響はないようです。

>>参考:201907/19 Facebook newsroom
Instagram、投稿の「いいね!」数を非表示にするテストを日本でも実施

 

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