Instagramではアルゴリズムが話題になり、エンゲージメントを得るために投稿を工夫することが重要視されています。そこで今回はアルゴリズムについて大枠をおさえつつ、アルゴリズム対策をしている企業アカウントの投稿事例をまとめました。

< 目次 >
Instagramのアルゴリズムとは
Instagramが重要視しているエンゲージメント
エンゲージメントを得る投稿対策を考える
アルゴリズム対策となる企業のInstagramフィード投稿事例
アルゴリズム対策となる企業のInstagramストーリズ投稿事例
まとめ:Instagram運用にアルゴリズムを意識することからはじめよう

■Instagramのアルゴリズムとは

実は私たちのInstagram画面に表示されている多くの投稿は、単純に時系列で流れているのではなく、Instagram社が閲覧者にとってより興味関心の高いコンテンツを表示させるためのアルゴリズムによる判断システムを通して精査されているのです。
また判断するための基準には、投稿したコンテンツが得たエンゲージメントが重要視されていると言われています。

SNSでのエンゲージメントとは、他者ユーザーが自身のアカウントの投稿に対するリアクションで、「いいね」、「シェア(リポスト、リツイート)」、「コメント(リプライ)」などです。

エンゲージメントを多く得ることでアルゴリズムによる評価を高め、投稿したコンテンツが画面に表示されるチャンスが高くなり、多くのフォロワーやフォロワー以外のユーザーとの接点が得られる可能性を上げることができるということになります。

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実際に、Instagramを閲覧している私たちの画面にどのように影響するかというと、ストーリーズをすぐにタップしてもらえるように「ホームタブ」の上部左側に表示してもらえるようになったり、フォローしていないアカウントでも表示される画面の「発見タブ」の上部に表示されるようになったり、
します。
インスタグラム、アプリ表示イメージ_ホーム画面と発見タブで表示されたいエリア

WEBサイトの運用で耳にするSEO対策のような考え方が、アルゴリズムによってInstagramにも必要になってきたということになります。

 

■Instagramが重要視しているエンゲージメント

どれだけ「いいね」数を得れば良いのかなど、具体的な数値は発表されていませんが、重要視されているのではないかというエンゲージメントがあります。当ブログでは詳細は省略しますが、閲覧するタブ画面や投稿機能によって、何を重要視しているかなどのポイントが変わるようですが、ここでは大まかなことを押さえたいと思います。

●インスタグラム社によるアルゴリズムについての発表

Instagram社の発表によると、投稿に関する内容や位置情報や、また投稿者(投稿したアカウント)の交流履歴、閲覧者の動きなどをチェックしているようです。

さらには、タイムライン(フィード)画面への投稿、ストーリーズ投稿、リール(動画)投稿、発見タブ画面と、機能や画面ごとにチェックしているポイントが異なることをインスタグラム社は発表しています。

>>参考:インスタグラム社ブログ(インスタグラム社代表_Adam Mosseri(アダム・モリス)氏寄稿
Shedding More Light on How Instagram Works

上記のブログ内容を大まかにタイムライン(フィード)画面とストーリーズ投稿、発見タブ画面についてポイントをまとめてみました。

●タイムライン(フィード)画面とストーリーズ投稿でチェックされているポイント

ここで表示される投稿は基本的に閲覧者がフォローしているアカウントの投稿が表示されます。

「閲覧者」による4つの交流の可能性をチェックしている。

・投稿に数秒間費やす可能性
・コメントする可能性
・いいね! を再共有する可能性
・プロフィール写真をタップする可能性

●発見タブ画面でチェックされているポイント

基本的には閲覧者がフォローしていないアカウントが表示される画面です。

・「閲覧者」の過去の活動をチェック
過去にどのような投稿に「いいね」をしたのか、保存したのか、コメントしたのかなどの活動がチェックされています。

・「投稿」に関するチェック
投稿に対して他者ユーザーからの「いいね」、コメント、共有、保存した回数と速さなどがチェックされ、特に発見タブ画面では重要視されている。

・「投稿者」とのやり取りの履歴
閲覧者がフォロワーでなくても以前にやりとりがあったかどうか。

・「閲覧者」の活動
どの投稿に「いいね」をしたり、保存したり、コメントしたりしたのか、過去に 発見タブ画面で見た投稿に対してどのように操作したかなど。

・投稿者に関する情報
過去数週間にその閲覧者とやり取りした回数などがチェックされる。

 

■エンゲージメントを得る投稿対策を考える

他にもアルゴリズム対策で挙げられているエンゲージメントはいくつかあるようですが、上段に紹介しているインスタグラム社代表のAdam Mosseri(アダム・モリス)氏のブログから、主に「いいね」、「保存」、「コメント」、投稿に費やす時間について着目したいと思います。

エンゲージメント数を上げるために、Instagramの運用に当てはめて投稿内容を考えることがアルゴリズム対策となると想定しました。

いいね 直感的に「いいね」をしたくなるような投稿をプランする。
ビジュアルに共感や面白いと感じる投稿をする。
保存 投稿を「保存」をして後で見返したいと思われる投稿をする。
内容が有益なコンテンツの投稿も計画する。
コメント 「コメント」をしてもらうために、コメントをしやすい状況にする。返答をしてもらえると分かるように普段から一般ユーザーからのコメントには返信対応する。
閲覧時間 複数画像や動画で滞在時間を伸ばす。

 

■アルゴリズム対策となる企業のInstagramフィード投稿事例

今回ご紹介する企業アカウントは複合的にアルゴリズム対策をとり入れているように見受けられます。Instagram運用にぜひ参考にしたい点があるのでまとめました。

・キリンビール

@kirin_brewery
飲料メーカー、キリンビール株式会社の公式Instagramアカウントです。
ビールの豆知識や季節に合わせた料理レシピの紹介など、ビールと日々の楽しい生活を提案するコンセプトが感じられます。画像や動画などのビジュアル重視のInstagramではコメントを入力してもらうことが難しい傾向がありますが、こちらの事例のように「飲んでみたいと思ったらコメント欄に「💚」ハートの絵文字で教えてくださいね。」と簡単なコメント入力方法を提案していることでユーザーによる絵文字でコメントを得ています。

< 対策ポイント >
・滞在時間:投稿は動画(リール)や複数枚の画像で豆知識や料理レシピを紹介しています。
・保存:レシピの投稿は後で料理してみようと思うお役立ち情報なので「保存」されやすいです。
・コメント:文章を入力するには手間がかかりますが、絵文字でリアクションするように誘導し、手軽にコメントする方法を提案しています。

投稿イメージ:キリンビールのインスタグラム公式です。レシピ投稿はもちろん知っているとカッコイイビールの豆知識などの投稿もあります。コンテンツ投稿が充実です。

・100円ショップ ワッツ(Watts)

@watts_100
100円ショップチェーンのワッツ(Watt)の公式Instagramアカウントです。
プロフィール画面に表示される1枚目の画像にはテキストなどはなく、シンプルに商品の画像が表示されるように投稿されているので、統一感もありお洒落なイメージです。
2枚目以降に商品の説明を映像と画像で投稿しており、使い方や組み立て方、サイズは分かりやすく大きな文字でしっかりと説明されています。複数画像の投稿をすることで、横に画像をスワイプして閲覧するかたちになりユーザーによる閲覧時間が長くなることでアルゴリズム対策となっています。また店舗に行った際に、もう一度見ることが出来るように「保存」に繋がるコンテンツ投稿です。
加えて、一般ユーザーから商品についての質問がコメントで寄せられると、公式アカウントからコメント返信している点もアルゴリズム対策となります。さらには海外からの英語のコメントにも英語で返信しており運用体制に感動します。

< 対策ポイント >
・滞在時間:画像複数枚で商材を紹介、生活にちょっと役立つグッズを紹介。
・保存:もう一度確認したくなる情報投稿。
・コメント:商品の質問など一般ユーザーからの質問に対応。

投稿イメージ:100円ショップ ワッツ(Watts)のインスタグラム公式アカウントのプロフィール画面のタイル状に表示される画像は撮影方法に統一感がありシンプルでおしゃれですが、複数画像のマークが表示されているのでタップすると商品詳細とTipsが盛りだくさんのコンテンツ投稿です。

投稿イメージ:投稿イメージ:100円ショップ ワッツ(Watts)のインスタグラム公式アカウントはキャプション本文はシンプルです。100円ショップ商品なのにクオリティの高さかからユーザーからの質問などコメントが投稿されます。これを垣間見ると自分も疑問に思ったらコメント入れようと思うコメント対応をされています。

・JTB公式Instagramアカウント

@jtb_jp
大手旅行代理店、株式会社JTBの公式Instagramアカウントです。
お勧めのホテルの情報や旅行のプランを提案するコンテンツ投稿と、一般ユーザーの美しい写真をリポストして紹介するUGC投稿の2つからなるハイブリット運用がされています。
上段でも紹介した企業アカウントのように、キャプション文で「行ってみたい!と思ったら「❤️」でコメントください!」とコメントをユーザーに訴求する呼びかけをしています。

また、複数の画像で投稿しているコンテンツ投稿の最後の画像には、他にもあるコンテンツ投稿の紹介や、指定#ハッシュタグの「#joytb」を付けて投稿するようにUGCを訴求するメッセージや、エンゲージメントとなるリアクションを閲覧したユーザーが忘れないように「保存」や「いいね」をイメージさせるお礼文がありました。

< 対策ポイント >
・滞在時間:他企業アカウントと同様にコンテンツ投稿の複数画像により閲覧時間が長くなります。
・保存:旅行プランの提案投稿は次に行きたくなる提案であるため「保存」数を高める内容です。
・コメント:文章でのコメントはしていないが、お礼をこめて「いいね」でライトな返信対応している。

投稿イメージ:JTBの公式インスタグラムアカウントでは、ハッシュタグ「#joytb」をつけて投稿している一般ユーザーのUGC投稿をリポストするかたちで紹介しつつ、旅にいきたくなるような美しい写真を掲載しています。

投稿イメージ:JTBの公式インスタグラムアカウントではコンテンツ投稿もしていて、画像をスライドすることで旅のプランが提案されています。最後の画像に他の投稿の紹介やアクション訴求もいれているのはコンテンツ投稿の構成を考える際に参考にしたちところです。

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■アルゴリズム対策となる企業のInstagramストーリーズ投稿事例

ストーリーズはフォロワーにだけ表示され、24時間で消える投稿機能です。軽めのお知らせとして1枚画像で投稿することもいいですが、アルゴリズムを考慮してエンゲージメントを得られるような投稿をしたいものです。

・ロクシタン | L’OCCITANE en Provence

@loccitane_jp
フランス系化粧品ブランド、ロクシタンジャポン株式会社の公式Instagramアカウントです。
新商品の紹介とそれに伴うキャンペーンを実施したり、商品の使い方や内容説明がカタログのような綺麗な画像と一緒に投稿されています。通常のフィード投稿と連動してストーリーズを活用しています。

こちらのアカウントで投稿されたストーリーズは新商品の紹介ですが、スタンプ機能を利用してアンケート投稿していました。選択タイプのアンケートは、ふとタップしたくなるためフォロワーから反応が得られやすいためお勧めです
投稿イメージ:ロクシタンジャポンの公式インスタグラムアカウントです。フィード投稿と連携したストーリズ投稿されています。ストーリズにスタンプを活用して交流しやすいアンケートは他の人はどんな感じかなと個人ユーザーのふと思ってタップしてしまします。

・オハヨー乳業 公式Instagram

@ohayo_milk
乳製品メーカー、オハヨー乳業株式会社の公式Instagramアカウントです。
通常のフィード投稿は、牛乳だけでなく美味しそうなデザート商品の紹介が投稿がつづいています。可愛らしい生活を感じられるテーブルがいろいろな商品で入れ代わり彩られて可愛らしい画像による投稿が続いています。
ストーリーズでは、一般ユーザーからのお手紙などを紹介してアーカイブ掲載しています。下記のストーリーズ投稿ではスタンプ機能を利用してクイズ投稿をしていました。商品に関してのクイズで、数秒の間に挑戦できるため、ユーザーはタップしたくなる投稿です。
投稿イメージ:オハヨー乳業の公式インスタグラムアカウントでは、昔懐かしの商品ロゴのグッズ販売や、たくさんの乳製品の商品の紹介は、プロフィール画面の表示の統一感があり楽しいブランディングが感じられます。テレビCMが少ない企業の接点はWebサイトやSNSであるため、頻繁に商品紹介やストーリズで知ることが多くなりました。

 

■まとめ:Instagram運用にアルゴリズムを意識することからはじめよう

閲覧者の行動もアルゴリズムで考慮されてマッチングされているため、企業アカウント側ではコントロールできない面もあり難しい点がありますが、投稿プランを立てるときに少しだけでもアルゴリズムを意識して運用をすることはSNS担当者には必要だと思いました。

今回事例から得られたことは、

コメントを訴求する

・コメント数を増やすために簡単な絵文字でリアクションできるように提案する。
・キャプション文の上部に訴求内容を入れる。早い段階で読めることがポイント。

コメントに対応する

・交流を持つことでアカウント同士の親密度をチェックできるため、出来るかぎり対応する。
・コメント文章で返信することが難しい場合は、「いいね」でライトに対応することも有効。

タイムライン投稿

・閲覧時間を長くするために複数画像や動画での投稿。
・あとでチェックするために「保存」されるお役立ち感のある投稿。
・既に投稿している他のコンテンツの紹介を入れる。

ストーリーズ投稿

・スタンプ機能を活用して閲覧者がリアクションしやすい内容にする。

 

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