【 最終更新日:2020年03月23日 / 投稿日:2018年06月19日 】

近年、公式情報の発信や広報、デジタルマーケティングなどを目的として、SNSを活用する企業が増えてきています。 その中でも、Twitterで複数のアカウントを運用している企業も多いようです。
その都度、必要に応じてTwitterでアカウント開設するも、運用方針が決まらず行きあたりばったりで情報が混在するなど、複数アカウントの運用の難しさを感じるSNS担当者の方も多くいると思います。
そこで、今回は複数のアカウントを運用するメリットとデメリットを事例と共に考えたいと思います。

< 目次 >
・あらためてTwitterの特徴を確認しましょう
・企業が複数のアカウントを運用するメリット
  ■森永製菓
  ■タワーレコード
・複数のTwitterアカウントを運用している企業事例
  ■東京メトロ
  ■DELL
  ■気象庁
  ■ソフトバンク
  ■沖縄県庁
・企業が複数のアカウントを運用するデメリット
・まとめ:特化型のアカウント開設でTwitterマーケティングの基盤をつくろう!

 

あらためてTwitterの特徴を確認しましょう

Twitter国内ユーザー数は4500万人

2017年10月の公式ツイートによると、日本国内では月間利用者数4500万人と発表しています。 月間利用者数(アクティブユーザー数)ではLINEに続き2番目になるほどの成長を遂げています。

>>参考:
TwitterJapan 2017年10月27日ツイートより
TwitterJapanによるツイートイメージ:アクティブユーザー数4500万達成

Twitterの特徴

・ユーザーのタイムラインに時系列で情報が表示されるためリアルタイム性が高い。
・リツイートや#ハッシュタグによる拡散力が高い。
・匿名性を活かした口コミ情報が多く、検索ツールとして成長。

Twitterのユーザー層

2016年2月のTwitter Japan社での記者説明会によると、2016年の当時から既に利用層は幅広く、主に10代の若者から40代のミドル層まで利用していると公表しています。

>>参考:
Twitterが国内ユーザー数を初公表 「増加率は世界一」2016年02月18日

所有アカウントの利用方法の多様化(リア垢、情報垢、ROM垢など)

Twitterユーザーは、複数のアカウントを所有している方が多く、10代~20代の約半数は複数のアカウントを所有しており、30代~40代においても約20%はアカウントを2つ所有している様です。

これらの一般のTwitterユーザーは、複数アカウントを使い分けしています。
企業アカウントにとって、自社のツイートが、どのようなアカウントの利用方法にリーチし、拡散されるかを想定しておくことも大切なので、ぜひ、代表的な利用方法を理解しておいてください。

代表的なアカウントの利用方法は下記のとおりです。

リア垢 リアルな実生活と連動している、知人・友人との交流ツール
趣味垢 趣味嗜好が似ている人だけをフォローする
情報垢 情報を収集するだけの目的に特化
ROM垢 自分ではツイートせずに、情報を閲覧するために利用
RT垢 賛同、共感した他者の投稿をリツイートすることだけが目的

※垢:ネット上の俗語で「アカウント」の意味。

>>参考:impress・web担当者Forum
Twitterのリア垢・裏垢・ネット垢・愚痴垢・ROM垢・趣味垢……、みんな使い分けていた【ナイル調べ】

 

企業が複数のアカウントを運用するメリット

情報の混在を防ぐことができる

同じ公式アカウントから、日々のオーガニック投稿や、商品情報やイベント情報などを発信すると、ユーザーにとっては興味のない情報もタイムラインに入って来てしまいます。
そのことを鬱陶しく感じるユーザーがフォローを外してしまうことがあると考えられます。

複数のアカウントを開設した場合、目的やターゲット別に適切な情報を届けることができるので、イベント情報、商品情報、会社情報や、カスタマーサポートなどの目的や、それぞれのターゲットユーザーに合わせた精度の高い情報を提供することができます。

例えば、
企業の社会貢献活動や採用情報をツイートするアカウントと、商品ブランドの情報をツイートするアカウントが分かれている場合、商品ブランド専用の情報をツイートするアカウントには、その商品のファンが注目しフォロワーになります。
また、それらのフォロワーはその商品への興味・関心が高いので、エンゲージメント率が格段に上がるということになります。

■森永製菓:商品ブランドごとにアカウント開設している事例

有名商品が多い企業で、ブランド名ごとにアカウントを開設することで、商材ファンに特化した情報をツイートしている事例です。
>>参考:森永製菓
キョロちゃん
@morinaga_CB
森永チョコレート
@MorinagaChoco
ツイートイメージ画像:森永製菓、キョロちゃんと森永チョコレートの2アカウント

アカウント同士でリツイートするなど拡散力をアップ

支店などがある事業の場合に、支店ごとにアカウントを開設し、各支店から地元や店舗独自の情報などをツイートしている企業を多く拝見します。
注力している商材を、全店舗で総力を挙げてツイートやリツイートし合うことで拡散することが可能です。

■タワーレコード:支店ごとにアカウントを開設している事例

各店舗ごとにお勧めアーティストや、ストア内イベントの紹介がツイートされています。
#ハッシュタグでは「#フラゲ日」(※)、「#CD入荷情報」を加えて、ビッグアーティストのアルバム発売を知らせるツイートを、店舗の陳列状況やポスターなどの画像とともに投稿されています。拡散はもちろんですが、趣味垢ユーザーからのインプレッションが狙える運用でもあります。

>>参考:タワーレコード
・タワーレコード渋谷店
@TOWER_Shibuya
・タワーレコード新宿店
@TOWER_Shinjuku
ツイートイメージ画像:タワーレコード、渋谷店と新宿店の2アカウント

※フラゲ日:フライングゲットの略で、発売日より1日以上早く購入する(ゲットする)行為を指す俗語

ホワイトペーパー表紙:Twitterアカウント運用設計リスト

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複数のTwitterアカウントを運用している企業事例

■東京メトロ

東京メトロでは路線ごとにTwitterでアカウントを開設し、各路線ごとの運行状況や事故による運行停止などの緊急情報をツイートしています。また、PR専用のアカウントもあり、正社員募集情報、イベントや、啓発活動などの紹介がツイートされています。
情報の混在を防ぎ、用途を分けたアカウント運用です。運行状況などはROM垢や情報垢ユーザーからのフォローやリツイートを狙える運用にもなります。

>>参考:東京メトロ【公式】
@tokyometro_info
>>参考:東京メトロ半蔵門線運行情報【公式】
@Z_line_info
ツイートイメージ画像:東京メトロ、公式アカウントと半蔵門線アカウント

■DELL

PCメーカーのDELLでは、テクニカルサポートのTwitterアカウントを法人と個人で分けて運用しています。それぞれのユーザーが質問する場所がはっきり分かります。
そのおかげで、法人の相談をTwitter上でしてもいいのか迷っていたユーザーなど、どこに相談したらいいか分からないままだったユーザーが相談しやすいようになっています。
また、Twitter上のリプライでのサポートは、電話やWebフォームからお問合せするよりも、利用するハードルが低くなっているため相談がしやすいようです。

>>参考:デル法人向けテクニカルサポート
@DellCaresPRO_JP
>>参考:デル株式会社 個人向けテクニカルサポート
@DellCaresJapan
ツイートイメージ画像:デル、法人向けと個人向け的のテクニカルサポートアカウント

■気象庁

気象庁は、メディア向けに公開している情報をツイートしているPRアカウントと、緊急性の高い防災情報を発信するアカウントと分けてTwitterを運用しています。
報道機関向けアカウントでは、主な内容は、温暖化などの気象現象、地震予測、毎月の降水量報告などです。気象庁防災情報のアカウントでは、台風や大雨、地震、火山噴火等の災害が想定される場合や、発生している場合に緊急情報としてツイートされています。

>>参考:気象庁
@JMA_kishou
>>参考:気象庁防災情報
@JMA_bousai
ツイートイメージ画像:気象庁の報道向けアカウントと気象庁防災情報アカウント

■ソフトバンク

ソフトバンクでは、新商品やキャンペーンの告知などをPRする「SoftBank」アカウントと、カスタマーサポートをする「カスタマーサービス担当」アカウントで分かれています。
「カスタマーサービス担当」では、一般ユーザーから、スマホの設定問題解決や、電話の破損など、多くの問い合わせコメントが投稿され、それに対してリプライ対応しています。目的がはっきりと分かれているため、新商品の情報が欲しいユーザーや、サポートを受けたいユーザーが、コメントを投稿しやすい運用となっています。

>>参考:SoftBank
@SoftBank
>>参考:カスタマーサービス担当
@SBCare
2020年3月5日ツイートより
2020年3月12日ツイートより
ツイートイメージ画像:ソフトバンク、ソフトバンク公式PRアカウントと、カスタマーサービス担当アカウント

■沖縄県庁

沖縄県庁では、Twitterで広報用アカウントと、科学技術振興課用アカウントが運用されています。
広報用アカウントでは、県知事の活動や、「#うまんちゅひろば」という定期コンテンツをツイートされており県庁の活動やお知らせが満載です。科学技術振興課のアカウントは、沖縄県が科学技術の振興と産業化を目的としていることから、アカデミックな情報が多く、小学生が参加できるサイエンスイベントなどのお知らせがツイートされています。
別アカウントにすることで一般ユーザーに、企業や団体が力を入れているプロジェクトなどをアピールすることができる事例です。

>>参考:沖縄県庁広報課
@okinawa_pref
>>参考:沖縄県庁科学技術振興課
@okinawa_STpref
ツイートイメージ画像:沖縄県庁広報アカウントと、沖縄県庁科学技術振興課

 

企業が複数のアカウントを運用するデメリット

複数のアカウント運用をするためには、それぞれのアカウントの目的をしっかりと定めて運用する必要があります。 また、それぞれ投稿内容を、それぞれのトーン&マナーに合わせて、適切なタイミングで投稿するというのは工数や知識が必要になります。
SNS運用担当者に負荷がかかるため、それぞれが上手く連携を取れていなかったりすることから、同じような内容がツイートされてしまったり、運用がストップしてしまうアカウントが出でいる事例が発生しています。
企業が複数アカウントを開設する場合は、それぞれの運用目的をもとに、自社で運用するだけでなく、SNS運用の代行を視野に入れてはいかがでしょうか。

 

まとめ:特化型のアカウント開設でTwitterマーケティングの基盤をつくろう!

Twitterによる情報発信は、マスメディアに比べプライベート領域での「自分事」として受け入れられやすい情報となります。
特にTwitterは、一般ユーザーとのコメントによる交流が注目されるなど、「自分事」のプライベート領域メディアとして、公式アカウントの情報発信にはお勧めですが、情報ジャンルや、投稿内容の混在はユーザーが困惑してしまうことにもなるため、特化した内容がある場合はアカウントを分けることをお勧めします。

 

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